NEC 導入事例インタビュー
新規事業開発

日本電気株式会社 様
目次
伴走支援でメンバーのマインドに変革を。外部の専門家の知識を組織力に変える、新規事業創出の裏側
道路、空港、鉄道、メディア、電力、消防・防災、スマートシティなど社会基盤を支える重要インフラ事業者や自治体が抱える課題に対し、NECグループが保有する全アセットを活用した事業展開を進めているNECのインフラDX事業部門。ハードウェア技術を軸とした事業に加え、事業の中心に『BluStellar』を据え、コンサルティング、DXテクノロジー/ソリューション提供を通じて、顧客および社会に対して継続的に価値を共創されています。
今回は、田辺啓二統括部長にインタビューを実施し、新規事業創出プロジェクトについての感想を率直に語って頂きました(記事掲載開始日:2025年10月28日)。
まず、今回の新規事業創出支援をご依頼いただく前に、社内ではどのような課題があったのでしょうか?
田辺氏:私たちの主要顧客は、高速道路や鉄道や空港といった社会インフラを支える企業・事業者様です。これまでは、お客様の調達に合わせてハードウェアなどを納入するビジネスが中心でした。しかし近年、お客様自身が労働力不足といった深刻な課題に直面しており、私たちもDX提案などを行ってはいたものの、お客様の根本的な課題解決にまで踏み込めていない、というジレンマがございました。

従来の「受注後にモノを提供する」ビジネスモデルに慣れていたため、より上流からお客様の課題解決を主導するための高度な提案力や、それを推進する専門チームの体制が十分に整っていなかったのです。そこで昨年度、社内に専門チームを立ち上げましたが、お客様自身も課題解決のためにどのようなデジタル技術を活用すべきかを描き切れていない状況で我々の専門チームも模索しながらのスタートとなりました。そこで、外部の専門家の力を借り、伴走してもらいながら、我々自身も成長し、ノウハウを組織に定着してくれるパートナーが必要だと考えたのです。
様々な選択肢がある中で、今回、アバージェンス社をパートナーとして選ばれた理由を教えてください。
田辺氏:実は5〜6年前に、「プロジェクトの品質改善」というテーマでご一緒した経験が大きかったです。我々自身もプロジェクト品質についての課題感は持っていましたが、具体的な解決策を見いだし、行動計画に落とし込み、品質改善に繋げていくというのは自社だけでは非常に難しいと感じていました。その際に、非常に深く私たちの組織に入り込んで、プロジェクト品質における課題発見から計画策定、施策実行までを一貫して伴走して頂き、大きな成果を手にすることができました。その成功体験から、「今回も我々のお客様の労働力不足という課題を解決するための新規事業の検討に対して、しっかり向き合い、深く入り込んでくれるだろう」という強い信頼感がありました。
実際に新規事業創出のプロジェクトを進めてみて、メンバーの皆様にはどのような変化や成長が見られましたか?
田辺氏:目に見えて変わりましたね。一言で言えば、「メンバーが積極的になった」ことです。例えば、あるメンバーは、これまで新規事業にどう向き合えばよいか迷う場面もありましたが、今回のプロジェクトを通じて、新規事業へのアプローチ方法を体系的に学んだことで、きっかけさえ与えれば自走できるレベルにまで成長し、自信をつけたようです。
また、ある若手は会議の進め方が劇的にうまくなりました。目的を明確にし、タイムマネジメントを意識するなど、仕事の進め方が非常に効率的になりました。マネージャー層も同様で、プロジェクトを通じてモチベーションが高まり、今では自発的に私に定例報告会を申し出て、事業推進の壁打ちをするまでになっています。さらに、アウトプットの質も格段に上がりました。以前は報告が分かりにくいこともありましたが、今では誰が聞いても納得できる論理的な構成で説明できるようになっています。これは、新規事業創出のプロジェクトを通じて、課題の整理の仕方、人への見せ方、説明の仕方がメンバーの中で体系化され実践に活かされている証拠だと思います。

プロジェクトのアウトプットや費用対効果については、どのように評価されていますか?
田辺氏:費用対効果は抜群に良いと感じています。もし私たちだけで進めていたら、このレベルの成果は決して得られなかったでしょう。12週間という短期間で、メンバーのマインドセットが大きく変わり、新規事業立ち上げのプロセスや思考法がチームに根付いてきたと感じています。これは、ビジネスモデルや事業計画といったアウトプット以上に価値のある、まさに“お金では買えない”組織の財産だと思っています。加えて、新規事業立ち上げまでの実現可能性が見える具体的なアクションプランまで落とし込めたことも含め、投資以上の価値があったと断言できます。ぜひ、当社の他のグループにも勧めたいですね。
最後に、今後の事業の展望と、パートナーに対する期待についてお聞かせください。
田辺氏:プロジェクトで作ったアクションプランは今着実に動いています。まずはビジネスモデルを固めて知財を取得し、来年度中にはサービスをリリースしたいと考えています。
パートナーであるアバージェンス社には、ぜひこの事業が本格的に立ち上がるところまで、引き続き伴走していただきたいと思います。また、AI活用など、外部の新しい事例を共有いただくことで、私たちの取組みをさらに加速させてくれることを期待しています。

本日はお忙しい中、長時間に亘ってご協力いただき、ありがとうございました。