経営改革を成功させる「社内変革者」とは?自走のための3つのスキルとマインドセット
株式会社アバージェンス
マネジャー
北村貴志
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目次
- はじめに:なぜ我々は「社内変革者」との協働を最重要視するのか?
- 多くの経営改革が「コンサル任せ」で失敗する現場
- 変革の「実行性」を担保する社内変革者の役割
- 我々が支援する「知見の仕組み化」と「全社伝播」
- 社内変革者に必須の3スキル
- なぜ「課題設定の質」が「打ち手の質」を左右するのか
- 解決策(How)を急ぐ前に行うべき「課題の構造化」
- 変革推進者が実践すべき「課題の構造化」3つの作法
- <事例>ある営業組織の変革推進者が陥った「つまづき」
- スキルを実践に移す「変革者に不可欠な3つのマインドセット」
- スキルだけでは社内変革が「絵に描いた餅」になる理由
- 我々が重視するマインドセット(自責思考・ゴール思考・仕組みの効用)
- マインドセットを獲得する3ステップ(守・破・離)
- まとめ:貴社の「社内変革者」を育成するために
- アバージェンスが提供する「変革人材育成プログラム」の紹介
はじめに:なぜ我々は「社内変革者」との協働を最重要視するのか?
多くの企業が、市場の変化、競争の激化、内部の構造的課題に常に直面し、「経営改革」の必要性は途絶えることがありません。その際、外部のコンサルティング・ファームを活用することもあるでしょう。我々アバージェンスも同種のご依頼を頂戴しています。
その際、クライアント企業からは過去に別の改革テーマでコンサルティング・ファームを起用してきた際の苦々しい失敗談を伺うことが少なくありません。ですから特に初めてのお付き合いの場合、クライアント企業は慎重ですし、我々アバージェンスが本当に経営変革のパートナーとして相応しいのか、何度も、何度も確認されます。
それは2つの理由から当然のことだと思います。1つは「失敗は許されない」というクライアント企業側の真剣さゆえ、もう1つは「コンサル起用には、典型的でかつ嵌ってしまいやすい失敗のパターンがある」ゆえです。その失敗のパターンとは変革のすべてを「コンサル任せ」にしてしまうことです。
多くの経営改革が「コンサル任せ」で失敗する現場
「高額なフィーを払って立派な戦略レポートや業務プロセス改革案を作ってもらったが、結局、現場は何も変わらなかった」「コンサルタントが引き上げた途端、改革は失速し、元のやり方に戻ってしまった」
これは、決して珍しい話ではありません。コンサルタントは「変革の設計図」を描くプロフェッショナルですが、その設計図を現実に動かし、血肉化するのは、その企業で働く方々全員です。全員とは言うまでもなく、経営陣から新入社員までを指します。
外部の人間がどれだけ正論を振りかざしても、現場には長年培われた独自の文化、人間関係、暗黙知が存在します。それらを無視した「べき論」だけの改革は、必ず現場の抵抗に遭い、実行段階で頓挫します。変革とは「絵を描くこと」だけではなく、「現場を動かすこと」を伴うものなのです。
変革の「実行性」を担保する社内変革者の役割
だからこそ、私たちアバージェンスは、コンサルティングを提供する際、自分たちもクライアント企業に完全常駐するとともに、クライアント企業内に「社内変革」の専任者を選抜して頂き、その方々と協働します。クライアントの経営陣から選抜された「社内変革専任者」は、「企業変革のプロ」になるべきブートキャンプ的な訓練後、自社改革の最前線に立ちます。
ここでいう社内変革者とは、社長や役員といった経営トップではありません。ミドルマネージャー(中間管理職)であったり、現場のリーダーであったり、あるいは特定のプロジェクトを任された若手エースであったり。それまでのご経験は様々ですが、共通しているのは「自分の力で会社を新たなステージに押し上げたい」という熱意と行動力をお持ちである、という点です。
我々のような経営改革専門のコンサル・ファームのメンバーと違い、社内変革者の方々は、“内部の人間”の立場で、経営層の「変革したい」という意志と、現場の「そうは言っても難しい」という実情の「結節点」に立つ存在です。外部のコンサルタントには見えない社内の力学やキーパーソン、現場の「本音」を熟知している点で変革者として秀でていますが、“働きかける相手は元上司”というようなとてもチャレンジングな立ち位置にも立たねばなりません。
彼らが「自分ごと」として変革の必要性を理解し、その実行のドライバーとなること。これは、描いた戦略を現場に浸透させ、真の「実行性」を確実なものにするために重要なファクターになります。
我々が支援する「知見の仕組み化」と「全社伝播」
社内変革者のもう一つの重要な役割は、改革プロセスで得られた学びや成功体験を「個人のノウハウ」で終わらせないことです。
アバージェンスは、社内変革者と作り上げた“社内変革推進チーム”として、対象事業の意思決定者から現場レベルまでをカバーしながら、彼らが持つ暗黙知を形式知化したり、考えているが実現はしていない改革のアイディアを一緒に検討し、「これはやる価値あり!」と決まれば即実行する…。このようなかたちで経営変革に伴走します。
「それは過去にも挑戦したがうまくいかなかった。私は反対だ!」と強く主張する上層部の方が出てくることもしばしばあります。その方の主張には当然妥当な部分があるのですが、実際、“今そして未来”を射程しながら、“社内変革推進チーム”と現場のミドル層・プレイヤー層と徹底協議した結果、「これをやろう!!」となる。ここでいう“これ”とは上層部の方が反対している“これ”です。
おわかりかと思いますが、“社内変革推進チーム”は絶対に引きません。その合理性を心を尽くして説明する、反対派の方々への共感も情緒的に示しつつ、「とにかく、試してみたい!」と主張し、ご理解を得ていく。これぞ経営変革です。
それがうまくいけば施策化し、仕組み化する、そして関連他部署へ伝播していく。変革の一歩一歩は一過性のイベントではなく、企業の「持続的な強さ」へと組み込まれていきます。私たち、つまりアバージェンスとクライアント企業選抜の社内変革専任者の方々でつくる“社内変革推進チーム”は、このように成功例は、例に留めず施策化する、施策のセットはその具体を紐解いた上でWhy、What、Howを伝播する。
それらの成長エネルギーを増殖させていくための「仕組み」を作り、その「回し方」も含めて、伝達し、理解度を確認し、その始動を見守り、「良いことはGood!」、ちょっと「改善を要することはMore!」、そしてその「改善の方向性をTry!」として浸透させていきます。
我々アバージェンスはもちろんのこと、同じチームメンバーである社内変革推進者の方々が「ビリビリしびれながらも、行動が貢献になっていくのを直接目にできる最高の瞬間!」が連続していきます。
社内変革者に必須の3スキル
では、その重要な役割を担う「社内変革者」には、どのような能力が求められるのか。特に重要となるスキルは3つです。

【スキル1】本質を特定する力(課題設定・解決スキル)
第一に、そして最も重要なのが「課題設定・解決スキル」です。
変革の現場では「売上が下がっている」「残業が多い」「新人が育たない」といった「現象(問題)」が溢れています。しかし、これらは氷山の一角に過ぎません。
多くの人は、この「現象」に対して「もっと頑張れ」「早く帰れ」「研修を増やせ」といった短絡的な「対策(How)」に飛びつこうとします。しかし、水面下にある本質的な「課題(Why)」を特定しない限り、対策は空振りに終わります。
なぜ売上が下がっているのか?(=競合の台頭?既存顧客のニーズ変化?営業プロセスの非効率?)この本質的な原因を発見し、特定する力。これが全ての起点となります。このスキルについては、本コラムの後半で徹底的に深掘りします。
【スキル2】ゴールと道筋を描く力
第二に、変革の「ストーリー」を描き、進めるスキルです。
変革は、既存のオペレーションなど安定したものに揺さぶりをかける行為であり、そこには痛みを伴います。人は、自分がどこに向かっているのか、なぜ今その痛みを耐えなければならないのかが理解できなければ、不安になり、抵抗勢力となります。
社内変革者は、「我々は半年後、どのような状態(ゴール)を目指すのか」「そのために、どのようなステップ(道筋)を踏むのか」「それを達成すれば、組織や個人にどのようなメリットがあるのか」を、論理的かつ情熱的に語る「ストーリーテラー」でなければなりません。
この「共感できる未来像」を鮮明に描き、提示する力が、組織を動かす推進力となります。
【スキル3】抵抗勢力をも味方につける力(組織の巻込みスキル)
第三に、組織を「巻き込み」、動かすスキルです。
変革に抵抗はつきものです。それは、単なる「やる気がない」といった精神論ではなく、「新しいやり方を覚えるのが面倒」、「今のやり方で評価されてきた自負がある」、「失敗のリスクを負いたくない」といった、人間として当然の防衛本能です。
社内変革者は、こうした抵抗勢力の「本音(懸念)」を真正面から受け止め、対話し、時には彼らの知見を変革プロセスに意図的に取り込むタクティクスが求められます。
変革は一人ではできません。キーパーソンを見極め、根回しをし、小さな成功体験を積み重ねて賛同者を増やしていく。こうした泥臭い「組織を動かす力」が不可欠です。
【最重要】変革の成否を分ける「課題設定・解決力」
3つのスキルを挙げましたが、その中でも私たちが変革者育成の「核」として最も重視しているのが、一つ目の「課題発見・解決力」です。
なぜなら、他の2つのスキル(ストーリー、巻き込み)も、この「課題設定」の質が低ければ、「打ち手」の質も低くなり、機能しないからです。
なぜ「課題設定の質」が「打ち手の質」を左右するのか
単純な例示をしてみましょう。もし「売上低迷」という現象に対し、「営業担当者のやる気が足りないからだ」という浅い課題設定をしてしまったら、どうなるでしょうか。導き出される対策は「やる気を出すために、インセンティブを強化し、精神論の研修を行う」といったものになるでしょう。よほどプリミティブな組織でないかぎり、こんな原因と課題仮説のセットは有りえません。それはおわかりいただけると思います。
本筋から逸れるので、ここで売上低迷という現象に対する課題ばらしはしません。申し上げたいのは「課題設定の質」が、その後の「打ち手(ストーリーや巻き込み方)の質」を決定的に左右するということです間違った課題設定に基づいた努力は、どれだけ頑張っても成果に結びつきません。
解決策(How)を急ぐ前に行うべき「課題の構造化」
自体が緊急であるほど、すぐに「どうやるか(How)」という解決策を考えたくなります。しかし本当に解決したいのなら、「なぜそうなっているのか(Why)」、「本当に解くべき問題は何か(What)」の特定に全エネルギーを注ぐべきでしょう。緊急である課題なら、即刻、Whyを然るべきメンバーで探求し納得のいく課題バラシを行って下さい。そして、導かれた真因を素早く優先順位づけし、まずはその実行策を案出して下さい。
私たちが「課題発見・解決力」と呼ぶスキルの本質。それは、目の前の現象に惑わされず、その背景にある複雑な要因を整理し、本質的な原因(=真の課題)を特定する技術、すなわち「課題の構造化」に他なりません。
短気な上司から“即刻、解決策を定め実行せよ!”との指示が飛んだなら、即刻行うべきは課題の構造化とそれが導き出す真因の特定です。
変革推進者が実践すべき「課題の構造化」3つの作法
「課題の構造化」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、基本的な「作法(思考の型)」は3つしかありません。

1.トップイシュー(真の論点)を明確化する
変革プロジェクトが迷走する最大の原因は、「今、何を議論し、何を決めれば、最もインパクトが出るのか」という「論点(イシュー)」が定まっていないことです。
例えば、「営業組織の変革」というテーマでも、論点は無数にあります。「既存顧客からの売上を最大化すべきか?」、「新規顧客の開拓数を増やすべきか?」、「営業の訪問効率を上げるべきか?」、「営業担当者のスキルを平準化すべきか?」などです。
これら全てを同時に追うことはできません。変革推進者がまず行うべきは、「今回の変革において、解決すべき最も重要な問い(=トップイシュー)」を経営陣や関係者とすり合わせ、明確に定義することです。
「我々の最重要課題は、新規顧客の『成約率』が低いことである。今回のプロジェクトでは、この成約率を半年でX%改善することをトップイシューとする」。ここまで定義できて初めて、議論は発散せず、具体的な課題分析に進むことができます。
2.「自責」で捉え、コントロール可能な課題を定義する
課題を分析する際、多くの人が「他責」の罠に陥ります。「売上が低いのは、景気が悪いからだ」、「残業が減らないのは、他部署の依頼が遅いからだ」、「新人が育たないのは、最近の若者の根性がないからだ」などです。
これらは全て、自分たちのコントロールが及ばない外部環境や他者のせいにしています。これでは「景気が回復するのを待つ」、「他部署に文句を言う」というアンコントローラブルな結論しか出ません。
変革の第一歩は、「自責」で捉えることです。景気が悪いという前提を受け入れた上で、なぜウチは競合A社よりも売上が落ちているのか、他部署のレスポンスを早めるために依頼の仕方を工夫したり、事前に予測したり、我々にできることはなかったか、と自分たちでできることを探すのが賢明です。
このように、「自分たちがコントロール可能な範囲」に課題を再定義することで、初めて具体的な「打ち手」が見えてきます。
3.「五階層以上のWhy」で本質的な原因を掘り下げる
課題を「自責」で捉えたら、次はその本質的な原因を「Why(なぜ)」で深掘りします。この「Why」の深さが、打ち手の深さを決めます。私たちは、最低でも「五階層」は掘り下げることを推奨しています。以下に例示します。

現象:新規顧客の成約率が低い
Why1:なぜ低い?→提案の質が低く、顧客に響いていないからだ
Why2:なぜ質が低い?→営業担当者が、顧客の「真のニーズ」を把握しないまま、自社製品の説明ばかりしているからだ
Why3:なぜニーズを把握しない?→顧客へのヒアリングスキルが不足している、あるいはヒアリングする習慣(プロセス)が営業組織にないからだ
Why4:なぜスキル不足・習慣がない?→OJTが機能しておらず、ベテランの「勘・コツ」が若手に伝承されていないからだ
Why5:なぜOJTが機能しない?→プレイングマネージャーである営業課長が多忙すぎ、部下の指導に時間を割けない。また、指導方法も属人化しているからだ
ここまで掘り下げて初めて、「営業課長の業務負荷を軽減し、標準化されたヒアリング手法の指導(仕組み化)に時間を使えるようにする」という、本質的な打ち手にたどり着くのです。
<事例>ある営業組織の変革推進者が陥った「つまづき」
言葉で説明するのは簡単ですが、この「課題の構造化」を実践するのは容易ではありません。ここで、私たちが実際にご支援した、あるクライアント企業(製造業A社)の変革推進者Bさんの「つまづき」の事例をご紹介します。
- 遅々として進まない変革プロジェクト
- A社では、営業部門の「属人化からの脱却」をテーマに変革プロジェクトが発足し、営業企画部のBさんが推進者に任命されました。Bさんは意欲的に活動し、トップセールスマンへのヒアリングを重ね、素晴らしい「標準営業プロセス」の資料を作成しました。
- しかし、そのプロセスを現場の営業担当者に展開しようとしても、一向に進みません。「こんな資料通りにやれるか」「忙しくて新しいことを覚える時間がない」と、現場からの抵抗は強まるばかりでした。Bさんは「現場の意識が低い」と悩み、プロジェクトは数ヶ月間、停滞していました。
- 失敗の原因:「他責」による表面的な課題設定
- 私たちはBさんと共に、なぜプロジェクトが進まないのかを「構造化」することから始めました。Bさんが当初設定していた課題は、「現場の営業担当者が、新しいプロセスを学ぼうとしない(意識が低い)こと」でした。
- これは、まさに「他責」の課題設定です。私たちは、【自責で捉える】作法と、【Whyの深掘り】をBさんに問いかけました。
「なぜ現場は学ぼうとしないのか?(Why1)」
→忙しいから。メリットを感じないから
「なぜメリットを感じないのか?(Why2)」
→Bさんが作った資料が、現場の実態(顧客の多様性や日々の突発業務)と乖離しており、「机上の空論」だと思われているから
「なぜ実態と乖離したのか?(Why3)」
→Bさんがヒアリングしたのは「トップセールスマン(できる人)」のやり方だけで、「平均的な営業担当者(できない人)」が「どこで・なぜ」つまづいているのかを分析していなかったから
「なぜ分析しなかったのか?(Why4)」
→Bさん自身が「標準化=トップのやり方を真似させること」と思い込んでいたから
- 我々の伴走支援による「課題の再構造化」と本質的学び
この深掘りを通じて、Bさんは「真の課題」に気づきました。課題は「現場の意識が低いこと(他責)」ではなく、「推進者であるBさん自身が、現場の『つまづきポイント』を解明しないまま、一方的な標準化を進めようとしたこと(自責)」だったのです。
この「課題の再構造化」により、Bさんの行動は一変しました。彼はトップセールスマンの資料を一旦脇に置き、平均的な営業担当者に同行し、「どこで時間がかかっているか」「どこで顧客と話が噛み合わなくなるか」を徹底的に観察・分析しました。
その結果、見えてきたのは「見積書作成の非効率」と「初回訪問時のヒアリング不足」という具体的なボトルネックでした。Bさんは、まずこの2点に絞った改善マニュアルとツールを作成し、現場に導入しました。
すると、「これならすぐに使えそうだ」「確かに時間が短縮された」と現場の反応が変わり、Bさんへの信頼が生まれ、プロジェクトは劇的に前進し始めました。Bさん自身も、この「つまづき」を通じて、課題設定の重要性という本質的な学びを得たのです。
スキルを実践に移す「変革者に不可欠な3つのマインドセット」
さて、ここまで「課題の構造化」という重要な「スキル」について解説してきました。しかし、事例Bさんのように、一度「他責」で考えてしまった思考を「自責」に切り替えるのは、スキル(技術)を知っているだけでは困難です。
私たちは、スキル(技術)と同時に、それを支える「マインドセット(思考様式・心構え)」が不可欠だと考えています。
スキルだけでは社内変革が「絵に描いた餅」になる理由
どれだけ高度な分析スキルを持っていても、どれだけ完璧な変革ストーリーを描けても、それを実行する本人が「どうせ現場は抵抗する」「失敗したら自分の評価が下がる」といった「他責」や「保身」のマインドセットに囚われていては、変革は絶対に実践できません。
特に「自責で捉える」ことや、「五階層のWhy」を問い続けることは、時に自分のやり方や組織のタブーと向き合う苦しい作業です。スキルという「武器」を使いこなすためには、困難に立ち向かう「心のOS」とも言えるマインドセットが必須なのです。
我々が重視するマインドセット(自責思考・ゴール思考・仕組みの効用)
私たちが社内変革者の育成において、スキルと同時にインストールをご支援しているマインドセットは、主に以下の3つです。

- 自責思考(当事者意識):(作法(2)で触れた通り)環境や他者のせいにせず、常に「自分にできることは何か」を起点に考えるマインドセット。これが無ければ、課題は永遠に解決されません。
- ゴール思考(未来志向):「できない理由」や「過去の前例」から考えるのではなく、「あるべき姿(ゴール)」から逆算して「今何をすべきか」を考えるマインドセット。変革とは未来を創る行為そのものです。
- 仕組みの効用(再現性への意識):「自分が頑張ればいい」「あのエースに任せればいい」という属人化を悪と捉え、常に「どうすれば他の人でも再現できるか(仕組み化できるか)」を考えるマインドセット。これが組織の持続的成長につながります。
マインドセットを獲得する3ステップ(守・破・離)
マインドセットは「意識改革」といった精神論で身につくものではありません。それは「行動習慣」によって獲得されるものです。私たちは、日本の武道や芸事で重んじられる「守・破・離」のステップが、マインドセット獲得の最短距離だと考えています。
守(真似ること):まずは、上記のようなマインドセットを持つ人(例えば我々コンサルタントや、Bさんのような先行者)の「思考の型」や「言葉遣い」を徹底的に真似る(守る)こと。「あの人なら、この場面でどう考えるか?」をシミュレートするのです。
破(慣れること):型を真似ながら、実際の現場(小さな業務改善など)で何度も実践し、試行錯誤を繰り返します。型を使いこなすことに「慣れ」、自分なりの小さな成功体験を積む(型を破る)段階です。
離(応用すること):型が完全に自分のものとなり、意識せずとも「自責」や「ゴール思考」で物事を判断・実行できるようになった状態。型から離れ、自分流に応用できるレベルです。
私たちは、クライアントの変革者に対し、この「守」と「破」のプロセスに伴走し、彼らが「離」のレベルに到達するまでを徹底的にご支援します。
まとめ:貴社の「社内変革者」を育成するために
本コラムでは、経営改革における「社内変革者」の重要性について論じてきました。彼らは、変革の「実行性」を担保し、社内の「知見を仕組み化」するという役割を担います。
そして、その中核となる能力が、単なる現象に惑わされず本質を突く「課題発見・解決力(=課題の構造化)」です。
私たちは、このスキルを実践するための「3つの作法」(トップイシュー、自責、Why五階層)と、それを支える「3つのマインドセット」(自責、ゴール思考、仕組みの効用)を定義し、多くの変革者の育成をご支援してきました。
アバージェンスが提供する「変革人材育成プログラム」の紹介
「自社にも変革者が必要だが、どう育てればいいか分からない」「変革プロジェクトが現場の抵抗で行き詰まっている」
もし、このような課題をお持ちであれば、ぜひ一度、私たちアバージェンスにご相談ください。私たちは、机上の空論ではない、現場の変革推進者と「共に汗をかく」伴走型のコンサルティングを得意としています。
貴社の未来を担う「社内変革者」の発掘から育成、そして変革の実行まで、私たちが培ってきたノウハウのすべてでサポートいたします。