既存事業の低迷期に顧客網などの既存アセットを活かしつつ、顧客要望の収集・分析・先取りソリューション提案ができるプロセスを新たに開発。「顧客のイノベーション・パートナー化」戦略を達成し業績向上
既存事業のサチュレーションと予算未達の慢性化
エンジニアリング・サービス業を営むこのクライアントは、顧客要望がどんどん先端化するなか、既存事業が構造的な低迷期に陥り、営業本部の年度売上予算は慢性的な未達の状況が続いていました。顧客ニーズに合致した先端サービス開発に取り組むものの、肝心の顧客ニーズ収集はセールス個人頼み、試作サービスの提案にも不慣れで、結局、従来サービスをKKD(気合・根性・度胸)で売るしかないという状況でした。
営業担当を真の【顧客接点】へと転換
当社による予備診断の結果、営業プロセス上の顧客コンタクト方法を大幅に見直すことで、潤沢な顧客網を活かしつつ、クライアント企業が目指す「顧客のパートナー化」を実現し、業績をV字回復することが可能との結論に至りました。ただ、そのプロセス改良には、新たなツール導入やクライアント社内連携強化、そして何より従来のやり方が染み付いた営業組織のマインドとアクションを変えるという風土改革が不可欠でした。特に「理屈はわかるが…」と新しいプロセス導入に尻込みする営業担当、そしてその管理者の振る舞い転換が最難関でした。
大きく目指し小さく変える
そこで、新しい営業プロセスの実現ステップを営業現場と一体化して進めて行きました。まず慢性未達の営業目標を上方修正して「大きく目指す」構えを作り、同時に営業プロセス上の【顧客接点】を一つずつ現場と共に見直し、改良点を探し出し、あるべきアプローチを試行していきました。現場から提示されるアイディアの妥当性を検証し、うまくいきそうなら「必ずやり切る」ことを現場と握り、小さな成功事例を積み上げる試行錯誤を定着化させることで「できない」を「できる」に変えていきました。
業績目標の大幅達成と新たな「顧客接点」としての営業プロセス&マネジメントの仕組み展開
結果として、対前年比増の予算に上乗せした挑戦的な業績目標を大幅に達成することができました。予算未達を解消しただけでなく、上乗せ数値もクリアできたことに一番驚いたのは現場の当事者の方々でした。来期以降のプロスペクトも潤沢に積み上がり、「このやり方ならいける」という自信に溢れる組織へと変貌しました。そして、「自分たちが創り出した」新たな営業プロセスとマネジメント・システムを新たな武器として全国に拡がる営業拠点へと横展開、同時に「定着は停滞の始まり」という信念のもと、変わり続ける顧客要望を常に先取りし、解決策提案することを「真の顧客接点」意義と位置付け、今でも進化を続けています。