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企業存続の意義

vol.0021

過日、長年のお付き合いを頂く経営者の方から、こんな話を伺いました。


「最近よく、ウチの会社がなぜ存続する必要があるのか、考える。確かにその分野では一定の地位がある。ウチがなくなれば業界に混乱も起き、多くのご迷惑も掛けるだろう。でも少し経てば、他社が同様のサービスを提供して平常に戻るに違いない。『会社の存続理由は株主·社員への貢献だ』と言う人もいる。これは確かに金儲けを目的とするよりは納得感があるが、今ひとつウチの独自性に欠ける気もする。そんなことを考えていて思いついたのが〈ふるさとの為に〉だ。ウチが本社を置くような日本の地方はどこも人口が減り衰退が著しい。古くからある地元の企業はその土地を構成する重要な要素の一つだ。ウチが消滅すれば地域の経済を支えていた前提条件が崩れ、下手すれば地域そのものが消滅しかねない。ドライな人は『それは時の趨勢だ』と言うかもしれないが、そんな人でもいざ自分の故郷がなくなれば寂しく感じるだろう。〈企業の存続理由はふるさとのため〉、この解が正しいかどうかは分からないが、今のところしっくり来ている。そんな会話を、最近よく経営幹部同士でするんだ」


「企業存続の意義」。お題目としては以前からあったと思いますが、多くの経営者の間で最近、これを巡る対話が増えていることを実感します。この簡単に答えの出ない問いに向き合う経営者が増えていることは、「世界が季節を変えつつある(それも夏から秋に)」ことの現れではないかと思うのです。これまで経営では成果という概念をよく「INPUT/OUTPUT」で表してきました。様々な目に見える「資源」をINPUT項に置き、OUTPUT項に何を置くかを検討する。これが企業活動の本質だと多くの人は考え、企業の存続自体は自明の前提と疑問を感じなかった(少なくとも、私と私の周囲はそうでした)。

しかし季節は変わりました。計量可能な「資源」ではなく、「企業の命(存続)」という不確定要素をINPUT項に置いた時のOUTPUT項、すなわち「成果」とは何なのか? そう考える人が増え始めたのです。人の命同様、企業の命も予測不能なものです。百年続くかもしれませんし、一年後に尽きるやもしれない。それでも命ある限り、OUTPUT項に何を置くかを考え続けることが、企業にとって「本当に生きる」ことなのではないでしょうか。「企業存続の意義」という「お題目」が、現場における「対話」に移行したこと。それは経営の現場で、より本質的な問いが必要とされる時代になったことを示唆しているように思うのです。


個人的な話ですが、私もここ最近になって、ようやく「生を受けて以来はじめて、INPUT項に規定不能な要素が置かれた」状態となりました。OUTPUT項にいかなる要素を置くべきか、悩みながらも考え続ける日々です。

小口 善左衛門

チーフ・オペレーティング・オフィサー
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