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手触り感

vol.0004

私事にて恐縮ですが、昨年末より剣道を15年ぶりに再開いたしました。父親に似て運動が苦手な長男が、「運動音痴のお父さんでもそれなりの水準にはなったのだから、おそらく自分もできるはず」という動機にてはじめたものに、日頃の運動不足解消の一助にでもなればという至って軽い気持ちからつき合っただけでしたが、通いはじめた道場にて“とんでもない猛者”と出逢うこととなりました。

“とんでもない猛者”というのは道場主を務める先生なのですが、御年八十歳、どんなに高段者の先生方でも流石に自分から打つということは影をひそめ、稽古相手の技を受けることが多くなる頃合いです。ところがこの先生は次から次へと自分から技を繰り出してきます。はじめて御手合わせを願った時には本当にびっくりしました。息継ぐ間もなく繰り出されてくる技に全く対処することができず、稽古の間中ただ一方的に打たれ続けるという惨状でした。惨状は良化しつつありますが、現在も週に一度は“とんでもない猛者”に鍛えて貰っています。この年になって到底敵いそうもない相手と巡り合えたことに感謝しています。


余話が少し長くなりましたが、今回はこの“とんでもない猛者”からの教えを皆様と共有いたしたく存じます。ある稽古の後、「あなたは間合いを距離感としか捉えられていない。間合いとは手触り感ですよ。手触り感を手にすることができなければ、およそ生き残ることはできません」という言葉を、とてつもなく穏やかな笑顔と共に頂戴したのです。剣道の教えにて、“間合い”という言葉は嫌になるほど耳にしてきました。「間合いが近い」、「間合いが遠い」から始まり、「間合いがあっていない」などなど。17年間ほどやっていれば、“間合い”とは距離感だけの話ではないと何となく感じてはいたものの、では何なのかは全く分かってはいませんでした。新しき師から“手触り感”という言葉を頂戴した途端、「あぁ、間合いとはそういうことか」と目が醒める思いでした。八十歳にして求道の道にある人は、実技ばかりでなく、言葉も日々研ぎ澄ませていることを痛感した瞬間でもありました。


剣道の話を長々としてまいりましたが、日頃接している組織マネジメントの場においても、“手触り感”という概念は重要なことではないかと感じております。コンサルテーションの御相談を受ける組織のマネージャーの方々から、「実際のところ、組織でどの様なことが起こっているかが分からない」という言を聞く機会が多い一方、今迄ご縁を頂いたマネジメントにおける“とんでもない猛者たち”の言からは、間違いなく“手触り感”が色濃く香っていますし、猛者たちは“手触り感”を保有するために日々工夫を施していることがヒシヒシと感じられます。

“手触り感”を保有するということは、“微差を捕捉する能力”を獲得することであると思います。その能力なき武芸者の“生き残る確率”は極端に低く、故に武芸者たちは“間合い”という概念を究め続けた様に思うのです。


剣道における“間合い”の究め方は、歴史が長いだけあり、方法論として確立している部分も多々あります(それでも個人的には、方法論として確立していない部分の方が圧倒的に多いとは感じています)。剣道に比すれば、組織における“間合い”の究め方は白紙の状態であるといって過言ではないと感じています。

白紙だからといって手をつけない訳にはいかない時であると考えていますし、白紙だからこそアバージェンスとして挑戦していきたいと考えています。組織として「生き残る」ことを可能にするため、“手触り感”を手にする方法論を真剣に追究して参る所存です。KAIZENに続き、MAAIという用語が世界に飛び立つ日を夢見て。

2013年4月30日

小口 卓

チーフ・オペレーティング・オフィサー
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